今年世界のトップ50経済学科から行動経済学の専攻でジョブマーケットに出ている院生・ポスドクの数を以下まとめました。
世界の経済学科のランキングに使ったのはTop 25% Economics Departments, as of November 2022。
トップ50以外の大学(例えば行動経済学で有名なカルテック)からも優秀な院生・ポスドクがジョブマーケットに出てきますが、今回は対象をトップ50校に絞ります。
行動経済学専攻でトップ50校からジョブマーケットに出ている院生・ポスドク数は合計47人。以下の表でわかるように、今年一番多く行動経済学専攻の院生・ポスドクをジョブマーケットに出しているのはスタンフォード大学の5人。次に多いのがハーバード大学、UCバークレーの4人。シカゴ大学、チューリッヒ大学の3人。
トップ7の大学全てが行動経済学専攻の院生・ポスドクをジョブマーケットに出しています。行動経済学の研究に興味がある方は、これらの大学を目指すといいでしょう。
大学名 | 大学ランキング | ジョブマーケットに参加している行動経済学専攻の院生・ポスドク数 |
---|---|---|
Harvard |
1
|
4
|
MIT |
2
|
2
|
University of California-Berkeley |
3
|
4
|
Chicago |
4
|
3
|
Paris School of Economics |
5
|
2
|
Stanford |
6
|
5
|
Princeton |
7
|
1
|
Columbia |
11
|
1
|
NYU |
13
|
1
|
Brown University |
14
|
1
|
Upenn |
15
|
1
|
Boston University |
16
|
1
|
Northwestern |
18
|
1
|
UCSD |
19
|
2
|
University College London |
21
|
2
|
LSE |
22
|
2
|
UC Davis |
27
|
1
|
Warwick |
33
|
1
|
Zurich |
36
|
3
|
Cornell |
37
|
1
|
University of Nottingham |
39
|
2
|
Bologna |
41
|
1
|
Vanderbilt |
42
|
1
|
Maryland |
44
|
2
|
Johns Hopkins |
45
|
1
|
Aarhus University |
48
|
1
|
以下の表を見ると、ランキングが高い大学の方がより多く行動経済学専攻の院生・ポスドクをジョブマーケットに送り出していることがよくわかります。ジョブマーケットに参加している47人のうち15人(32%)がトップ5の大学です。
ランキング6番目のスタンフォード大学まで含めると47人のうち21人(45%)がトップ6の大学からジョブマーケットに出ていることになります。
大学ランキング | ジョブマーケットに参加している行動経済学専攻の院生・ポスドク数 |
---|---|
1-5
|
15
|
6-10
|
6
|
11-15
|
4
|
16-20
|
4
|
21-25
|
4
|
26-30
|
1
|
31-35
|
1
|
36-40
|
6
|
41-45
|
5
|
46-50
|
1
|
まとめ
昨日のブログで書いたように、今年行動経済学に関連した公募は、アメリカの大学で19、アメリカ以外の大学で16、合計35出ています。それに対して、トップ50の大学からジョブマーケットに出ている院生・ポスドクは合計47人。
行動経済学が勉強できる大学はあまり多くなく、しかもトップ大学が多いので、ジョブマーケットに出る院生・ポスドクはトップ大学出身者(特にトップ6)に集中します。
トップ50以外の大学(例えばカルテック)からも優秀な院生がジョブマーケットに出ているので、今年も厳しい競争になるかと思います。
次のブログからは、ジョブマーケットに参加している行動経済学専攻の院生・ポスドクのジョブマーケットペーパー(選考のための発表に使う論文)を1つずつ解説していきます。